■概要
全国のコンクリート製品メーカー4社で組織するシグマベースLLP(本部:東京都港区)は、大手ハウスメーカーを対象とした全国規模の住宅基礎施工事業に参入致します。工場生産のコンクリート製フラットパネルを建設現場で連結することで従来約2週間かかっていた基礎施工をわずか3日で完了するプレキャスト(PCa)住宅基礎の新工法を開発、4社が連携してパネルを全国供給する一方、年間10万棟までの大量の設計依頼を自動処理する基幹業務システムの共同開発を終え、8月からハウスメーカーやホームビルダーからの受注活動に乗り出すことになりました。シグマベースLLPでは、今回開発した標準モデルをベースに、今後ハウスメーカー別に特別仕様の商品開発支援にも乗り出す考えでおり、4社のアライアンスによるビジネスモデルを住宅基礎業界の“プラットフォーム”へと進化させることを狙っています。
■事業内容
シグマベースLLPは、會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)、前田製管(山形県酒田市)、阪神工業(兵庫県小野市)、インフラテック(鹿児島県鹿児島市)の、各地域を代表するコンクリートメーカー4社が08年4月、有限責任事業組合(LLP)の形態で設立した共同事業体です。4社から約20名のエンジニアや経営企画スタッフが出向し、およそ1年3カ月かけて新世代のPCa基礎工法「シグマベース」を共同開発致しました。既に国土交通省の指定評価機関である財団法人日本建築センター(東京)の構造評定を申請、7月17日には同工法の適合判定を受けており、早ければ7月末にも評定を取得する予定です(注)。
シグマベースは工場生産された長さ別のコンクリート製フラットパネルを縦横に連結して基礎立ち上り部(ボックス状の梁)を組み上げた後、床面(底盤スラブ)すべてに生コンを充填し、立ち上り部と床面を最終的に一体構造化するハーフプレキャスト式ベタ基礎工法を採用致しました。パネルの種類を極限まで減らす独自の設計思想により、工場での生産が面倒でコストアップ要因となっていた異形連結部材を完全に排除し、基本3タイプのフラットパネルを長さ別に組み合わせるだけで、あらゆる形状の住宅基礎を再現できるようにしたのが最大の特徴です。
フラットパネル同士の連結には新開発のスライド式レールジョイント(特許出現済)を採用致しました。パネルの両端部にスライド式鋼製金具が埋め込まれており、指定順にパネルを差し込んで行くだけで現場での仮設置を約2時間で完了させます。その後、特殊グラウトをジョイント部に注入して鋼製金具同士を固定化させる極めてシンプルな手法であり、4名1チームのスタッフが現場乗り込みから基礎完工まで3日間で対応することができます。
一般にPCa住宅基礎は、現場打ちが主流の住宅基礎施工を抜本的に変革し、労働集約的な産業を「工業システム化」する切り札になると期待されながらも、多品種少量生産(受注生産モデル)を強いられる異形部材の存在が生産コストを高止まりさせ、これまでほとんど普及していません。これに対しシグマベースは、基本外観形状が同一の3タイプの長さ別フラットパネルすべてを共通型枠で製造するため、型枠投資を最小限に抑えることができます。さらに、1棟に使用するパネルの50%から最大70%が共通部材になるため、在庫投資を含む計画的かつ連続的な大量生産に道を開き、現行の現場打ち工法よりも低コストでの施工が初めて可能になりました。
シグマベースLLPは全国の現場を一括遠隔管理する「オペレーションセンター」を都内に設置し、新開発の基幹業務システムを駆使して、各ハウスメーカーから基礎の設計依頼、受注管理、施工管理などを請け負います。一方、コンクリート製フラットパネルについては、全国統一の品質管理基準のもと、シグマベース出資4社の自社工場(全国約50ヶ所)から安定供給されます。またシグマベースLLPでは、PCa基礎施工の教育訓練プログラムである「シグマベース施工アカデミー」を設け、各ハウスメーカーが下請契約している既存の基礎施工業者にPCa施工に関する再教育訓練と技能認証を行い、施工集団の組織化を順次進めて行きます。
最先端のPCa技術を駆使して住宅基礎を3日間で仕上げる超スピード施工は、現場打ち基礎では出せない数ミリ単位の施工精度を可能にするだけでなく、ハウスメーカーに工期短縮によるキャッシュフローの改善や工程ずれのリスク極小化といった副次効果をもたらします。また現行の基礎施工業者にとっても、限られた人数で現場打ち基礎の4倍もの生産性を上げられるため、来るべき労働力不足の時代において経営改革の切り札になるとみています。
このようにシグマベースは、住宅基礎事業の3つの主要プレーヤーであるハウスメーカー、コンクリート製品メーカー、基礎施工業者のいずれもが勝者となれる「3×Win」(三方得)をビジネスの基本思想として掲げ、お施主様の満足度を第一優先に事業を推進して参ります。
シグマベースLLPでは、4社のアライアンス、並びにインフォシス・テクノロジーズ社とのパートナーシップで構築した今回のビジネスモデルを「顧客の要求に応じて変化し続ける業界プラットフォーム」と位置付けています。事業は木造住宅系メーカーや地域有力ビルダーを対象にスタートさせ、軌道に乗り次第、独自の住宅設計思想を持つ大手プレハブ系メーカーにも技術的対応を施し、各社別に型式認定の取得等を総合的にサポートしていく考えです。5年後には年間施工棟数で20,000棟、売上高(材工)は約200億円を目指しています。
■システム概要/オペレーションの詳細
シグマベースのビジネスプラットホームの中で最も重要な役割を果たすのが、東京都港区神谷町に開設したオペレーションセンターです。ここにはハウスメーカーへの設計サポート業務から施工現場の進捗までをコントロールする「設計センター」「施工センター」、並びに「シグマベース施工アカデミー」の本部機能が集約します。
大手ハウスメーカー1社の年間施工棟数は10,000棟内外に及びます。大量の設計依頼をデザイナーが短時間で処理し、全国各地の施工物件を統一した安全・品質基準でモニタリングするには、これまでになかった大規模かつ本格的なITソリューションが必要となり、シグマベースLLPでは、約3億円強の開発費をかけて、インドの大手システム会社インフォシス・テクノロジーズ(本社:バンガロール)と「Σ System」を共同開発致しました。
Σ Systenは見積業務、受注業務、施工業務、販売管理業務の各フェーズをWebで管理し、設計業務についてはAutoDesk社のAutoCADを採用、Web上の業務と協調して動作する仕組みです。遠隔地からでもシステムにログインすればセンターと同様の作業環境を得られるため、業務の繁閑に応じてデザイナーの登用数を変動できる利点があります。
<設計センター>
設計センターでは、ハウスメーカーがAutoCADで送信して来た平面図、基礎伏図などから、構造上のルールや施工条件(資機材搬入の道路幅など)を考慮してシグマベースのコンクリート製フラットパネルの割付図を自動作成し、必要となるパネルのアイテム確定、スラブ用鉄筋量や生コン量の算出、施工人工数の算定を行い、見積提出から受注までを一気に処理します。システムの導入により、受領した図面を基に一から基礎設計を起こす場合に比べて処理能力は約10倍強に拡大、1棟当たりの処理時間を約30分に短縮しました。
設計センターのチーフは各デザイナーの設計作業進捗を液晶大画面の「コクピット」で絶えずモニタリングし、作業に遅れがある場合は、別のデザイナーにタスクを振り分けるなどして設計納期を厳守します。
<施工センター>
施工センターでは、全国の施工物件の工程管理、並びに安全管理、最終の出来型検査などをリモートで行います。すべての現場管理者は業務用端末を携帯し、本部から施工スケジュールに応じた安全確認指示を都度受け取ったり、現場から工程進捗をリアルタイムで本部に報告します。予め決まった安全上の手順を踏まなければ、次の工程に進めないようにしました。
Σ Systemの目玉は、基礎の出来型検査に「ITメジャーメント(測量)」と呼ぶ3次元画像解析システムを導入した点です。現場で組み上がったPCa基礎のデジタル画像を所定の方法で2枚撮影し、端末からセンターに送信すると、画像解析システムが辺長、対角の寸法を約2ミリの誤差で自動計測します。現場での実測にデジタル測量によるダブルチェックをかけることで、真の全国統一品質を実現致します。
注)財団法人日本建築センターの構造評定
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対象建物は、建築基準法第6条第1項第四号に規定する木造住宅とし、店舗等の併用住宅を含む。構造は、軸組構造及び枠組構造。階数は2階建て以下。建物高さ13m以下、軒の高さ9m以下、延べ床面積500m2以下、階高3.6m以下が対象となる。
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コンクリートの設計基準強度は、PCa基礎梁が30N/m m2以上とし、スラブ板に使用するコンクリートは、JISA5308(レディミクストコンクリート)に規定するもの又は基準法第37条第2項の国土交通大臣認定品とし、設計基準強度は24N/m m2以上とする。また継手部分に使用するグラウトはFc30とし、長期の許容応力度が圧縮、せん断ともに基礎梁コンクリートと同等のものとしている。
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| 本プレスリリースのお問い合わせ先: |
| 東京都港区虎ノ門4-1-17神谷町プライムプレイス |
| シグマベースLLP |
| オペレーションチーム:宮田 達也 |
| TEL:03-5402-6301 |
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